(1)能《石橋(しやつきよう)》の小書(こがき)(変型演出の名)。観世流は〈大獅子(おおじし)〉と称する。常の演出では後ジテの獅子の役は1人で,赤頭(あかがしら)を着けるが,この小書の演出では,白頭の獅子(シテ)と赤頭の獅子(ツレ)が相舞(あいまい)をする。ツレの数は,流派によって2人または3人とする演出もある。なお前ジテは,一般に童子とするのが普通の演出だが,老人とする演出もあって,それをこの小書のときのきまりとする流派もある。
執筆者:横道 万里雄(2)歌舞伎舞踊。長唄。2種ある。一つは1861年(文久1)初世花柳寿輔が子芳次郎の披露に素踊で上演した2世杵屋勝三郎作曲の《勝三郎連獅子》(別称《馬場連》)。もう一つは1872年東京村山座初演の3世杵屋正治郎作曲の《正治郎連獅子》(別称《瀬戸連》)。ともに作詞は河竹黙阿弥。いずれも獅子の子落としで親子の情愛が眼目。1901年東京座で〈宗論〉を加え,松羽目で狂言師2人が親子の獅子の狂いをみせる現行形式が定まった。
執筆者:西形 節子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
歌舞伎(かぶき)舞踊。長唄(ながうた)。河竹黙阿弥(もくあみ)作。能『石橋(しゃっきょう)』の替(かわり)の型からの名称で、1861年(文久1)5月、2世杵屋勝三郎(きねやかつさぶろう)が作曲、初世花柳寿輔(はなやぎじゅすけ)が子芳次郎(よしじろう)の名披露目(なびろめ)に振付けして、素踊りで演じたのが最初。これを増補し、3世杵屋正治郎(しょうじろう)が作曲し直して72年(明治5)5月、東京・村山座で上演。前者を「勝三郎連獅子」、後者を「正治郎連獅子」といい、これをさらに1901年(明治34)2月、東京座で市川猿之助(2世段四郎)と市川染五郎(7世松本幸四郎)が上演したとき、竹柴晋吉(たけしばしんきち)の加筆により、松羽目(まつばめ)物としての現行の形式が定まった。親獅子が訓練のため子獅子を谷へ突き落とすという比喩(ひゆ)をテーマにしたもので、初め手獅子を持った狂言師2人が踊り、のちに能装束の親子の獅子で勇壮なクルイを見せる。
[松井俊諭]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
…しばしば半能として後半だけを演じるが,荘厳重厚なクセと,華麗豪快な舞とが対照的に演じられてこそ,この能の真価が発揮される。獅子は赤頭(あかがしら)を着けるが,〈連獅子(れんじし)〉〈大獅子(おおじし)〉などの変型の演出では,白頭と赤頭の獅子が相舞(あいまい)をする。前ジテは童子が本来だが,老人で演ずるやり方もある。…
※「連獅子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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