砂沢館跡(読み)すなざわたてあと

日本歴史地名大系 「砂沢館跡」の解説

砂沢館跡
すなざわたてあと

[現在地名]五城目町羽黒前

五十目ごじゆうめ村の北、もり山の東麓、通称前平まえひら山にある。享保一五年(一七三〇)の「六郡郡邑記」に、天正(一五七三―九二)頃秋田右近太夫藤原秀盛の居城という。遠景絵図で場所を措定し、「砂沢の館」と呼称したのは文化六年(一八〇九)にこの地を探遊した菅江真澄が最初である(ひなの遊)。同一二年の「秋田風土記」では「前平の城」と記し、次の説明がある。

<資料は省略されています>

城主の秋田右近太夫藤原秀盛は「土崎湊落城」の際秋田実季家臣として活躍した五城目内記秀盛と同一人物と考えられる。文禄元年(一五九二)の秋田実季分限帳(秋田家文書)に「八百五拾六石壱斗九升四合 五十目内記」とあり、知行高は慶長六年(一六〇一)の秋田実季侍分限(秋田家文書)のうち御代官所之帳の上町うわまち村・下町したまち(のちの五十目村)石高に相当するから、五十目内記は前平山に居館を構え、両村を支配したのであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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