英語ではlaboratoryが相当する。この語には実験室,実習室,演習室などの意味がある。また教員個人の執務室を研究室ということもある。教員の私室を指すだけでなく,哲学研究室,国文学研究室といった具合に,教授を中心として,そこに集まる研究者および学生の集団を指す場合もある。教授の個人名を付した研究室も存在する。医学部などでは生理学教室というように,研究室でなく教室と呼ぶこともある。一般に日本で研究室と言う場合,そこに属するのは教授を頂点として准教授,講師,助教,ポスドク,大学院生というようにピラミッド型の構造をとることが多い。これに対しアメリカ合衆国では,PI(アメリカ)(Principal Investigator(アメリカ))と呼ばれる研究グループの責任者が研究室を主宰する。PIには,教授だけでなく,准教授,助手など階層に関係なく就くことができる。ドイツでは,laboratoryに相当する研究室という語はあまり使われない。研究と教育の基礎単位としてのインスティトゥート(institut)が研究室を意味している。
著者: 木戸裕
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報
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