精選版 日本国語大辞典 「竹越与三郎」の意味・読み・例文・類語
たけこし‐よさぶろう【竹越与三郎】
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明治・大正期の史論家、新聞記者、政治家。慶応(けいおう)1年10月4日、武蔵(むさし)国(埼玉県)本庄(ほんじょう)で、越後(えちご)国柿崎(かきざき)出身の清野(きよの)仙三郎の次男として生まれる。三叉(さんさ)、鬼谷(きこく)先生、夢履(むり)の号を用いた。1880年(明治13)に郷里の柿崎から上京、中村敬宇(なかむらけいう)、福沢諭吉に学び、1883年には伯父竹越藤平の養子となり、慶応義塾在塾のまま時事新報社に入ったが翌1884年退社、以後、『国民之友』『大阪公論』『国民新聞』などで活躍。1891年に民友社から刊行した『新日本史』上巻(中巻は翌1892年、下巻は未刊)は、明治維新の総括的な把握を試みた独自の史論であり、『二千五百年史』(1896)は当時のベストセラーとなった。さらに『日本経済史』全8巻(1919~1920)の編纂(へんさん)にも従事した。この間、陸奥宗光(むつむねみつ)、西園寺公望(さいおんじきんもち)の知遇を得て雑誌『世界之日本』を創刊し、『二六新報』『読売新聞』『日本』『東京毎夕新聞』に参加、1926年(大正15)には『東京日日新聞』客員となり自由主義的筆陣を張った。また、1902年(明治35)以来衆議院議員に5期当選し、1923年に勅選貴族院議員、1940年(昭和15)に枢密顧問官となった。昭和25年1月12日、東京玉川用賀の自宅で死去。
[松島榮一]
『『二千五百年史』全5冊(講談社学術文庫)』▽『『新日本史』上下(岩波文庫)』▽『松島榮一編『明治文学全集77・78 明治史論集(1)・(2)』(1965、1976・筑摩書房)』▽『高坂盛彦著『ある明治リベラリストの記録――孤高の戦闘者・竹越與三郎伝』(2002・中央公論新社)』
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1865.10.4~1950.1.12
明治~昭和期の新聞記者・政治家。号は三叉(さんさ)。武蔵国本庄の清野家に生まれ,親戚の竹越家を継ぐ。同人社・慶応義塾で学んだのち,洗礼をうけて群馬県前橋で廃娼運動に参加。1890年(明治23)「国民新聞」に入社。またイギリス的自由主義の影響をうけた歴史書「新日本史」を発表。95年国民新聞社を退社,翌年刊行した「二千五百年史」はベストセラーとなった。1902年政友会から代議士に当選。のちに貴族院議員・枢密顧問官。
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…広範な社会活動を展開した小説家木下尚江の出発点には,松本中学の歴史の教室でのクロムウェルとの出会いがあったし,また教育勅語の発布を契機に起こった〈内村鑑三不敬事件〉(1891)の背後には,カーライルの書物を愛読した内村のクロムウェルへの傾倒があり,その後も内村はしばしばクロムウェルの生涯を論じている。なお日本で最初に彼の伝記を執筆したのは,竹越与三郎であって,その《格朗穵(クロムウェル)》は,1890年民友社から刊行された。ピューリタン革命【今井 宏】。…
…民権運動が目標とした国会開設の原点は五ヵ条の誓文に代表される〈維新の精神〉に求められ,明治藩閥政府はそれを忘却したと攻撃されたのである。これは明治20年代前半の民友社の平民主義の主張にもうけつがれ,徳富蘇峰,人見一太郎,竹越与三郎(三叉(さんさ))らの主張に代表された。彼らは〈維新の精神〉こそが原点であって,今の政府は〈維新大革命の血脈に背くもの〉で,決して正統なあとつぎではない,と批判した。…
…その後日本では,イタリア建国の三傑としてガリバルディ,カブール,マッツィーニに焦点を当てたリソルジメントのイメージが作られるようになる。この場合も論者により三人への比重の置き方は違っており,竹越与三郎《新日本史》(1891‐92)は〈以太利は欧州の日本也〉と述べて,自由主義政治家としてのカブールに高い評価を与えた。また徳富蘇峰《吉田松陰》(1893)は,松陰の精神と横井小楠の理想を兼ね備えた人物としてマッツィーニを紹介し,三宅雪嶺は明治30年代初めの論文でガリバルディを西郷隆盛と比較しながらその人物像を詳細に描いた。…
※「竹越与三郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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