神学の婢(読み)シンガクノヒ(その他表記)ancilla theologiae ラテン語

デジタル大辞泉 「神学の婢」の意味・読み・例文・類語

しんがく‐の‐ひ【神学の×婢】

《〈ラテンancilla theologiaeスコラ学用語哲学女主人に仕えるはしためのように、神学に隷属するものでなければならないということ。

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精選版 日本国語大辞典 「神学の婢」の意味・読み・例文・類語

しんがく【神学】 の 婢(ひ)

  1. ( [ラテン語] ancilla theologiae の訳語 ) スコラ哲学の用語。哲学は神学に奉仕し服従する侍女のようなものでなければならないという意味中世では、学問王座を神学が占め、哲学は神学に奉仕する手段で、学問の王国の中の侍女に過ぎないとされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「神学の婢」の意味・わかりやすい解説

神学の婢
しんがくのひ
ancilla theologiae ラテン語

中世の神学者ペトルス・ダミアニPetrus Damiani(1007―72)が、神学に対する哲学の関係を表すのに用いた用語。当時、聖書権威に対して、理性の権威を強調した弁証学dialecticaという哲学的な学問があった。これに対して彼は、弁証学がキリスト教神秘を解明するために利用される場合の基準をつくり、弁証学は女主人に仕える婢のように、神学に隷属するものでなければならないとした。

[加藤信朗]

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