神崎新堀(読み)かんざきしんぼり

日本歴史地名大系 「神崎新堀」の解説

神崎新堀
かんざきしんぼり

二代岡山藩主池田忠雄によって、寛永元年(一六二四)から翌二年にかけて開かれたとされる用水(邑久郡史)。開発年代は一説に宝永三年(一七〇六)とされるが、寛文七年(一六六七)以降作成の明暦三年(一六五七)幸島こうじま新田開発計画を示す絵図(池田家文庫)に「千町悪水抜」として記載されていることなどから、寛文初期までには開削されていたと思われる。邑久郡中央部の千町せんちよう平野は備前有数の穀倉地帯で、平野を南西に流れて乙子おとご村で吉井川に合流する千町川を排水幹川とした。しかし、排水状況は極めて悪く、平野南部は常に排水問題で苦しんできた。忠雄は千町平野南部の丘陵西端の狭隘部を南北しん村から神崎村まで掘抜き、新村で千町川を分流南下させ児島こじま湾に流したのである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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