在地(読み)ざいち

精選版 日本国語大辞典「在地」の解説

ざい‐ち【在地】

〘名〙 (「ざいじ」とも)
① 現地にいること。また、その地に住む人、住んでいる土地。
※東寺文書‐礼・延喜二〇年(920)九月一一日・右大臣藤原忠平家牒「以去承和十二年申下官省符於在地国、為伝法料已了」
※平治(1220頃か)中「材木の上に二の首をさしをいて、軍(いくさ)みける在地の者どもにあづけて」
② (みやこに対して) いなかの地。在郷。在所。
※金刀比羅本保元(1220頃か)中「是は在地(ザイチ)の土民等、きのふ判官を舟にのせて、箕浦へ送たりと聞えけるによってなり」

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世界大百科事典 第2版「在地」の解説

ざいち【在地】

現地または現地を担う人々の意。平安時代前期から広く文書・記録史料などに登場し,中世にかけて広範に用いられた言葉である。〈地に在る〉という表現のしかたからもうかがわれるように,京・国衙(こくが)など中央や官の世界を表現する言葉に対し,地方・現地・民間の意味あいを含む語として用いられた。したがって,在地という言葉でとらえられる世界は,制度的に与えられた郡・公郷・荘園などを示すこともあるが,むしろその枠をとりはらった地方底辺の世界そのものを実態的に指すことが多い。

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世界大百科事典内の在地の言及

【地】より

…前者の用例が地色,地の文などの地に通じ,後者の地が囲碁の地に当たるのであろう。また〈在地〉〈下地〉などの地は,土地の上に生ずる〈作毛〉とそれによる得分とは区別された,土地そのものを指す語であり,土地の売買などの移動に当たって,平安後期には〈在地〉の人の確認を得ることがとくに必要とされた。地主や地子・地利などの語も,この〈地〉に結びついており,京に対する田舎の意の〈地下〉の地も同様である。…

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