神浦(読み)こうのうら

日本歴史地名大系 「神浦」の解説

神浦
こうのうら

[現在地名]大島村神浦

現大島村の南東部に位置する。南に開く入江の西にじよう山、東手につじ山がある。明暦二年(一六五六)の田方帳抜書に大島のうちとして神浦と記され、畑方帳抜書には神野浦村神之浦免とある。寛文元年(一六六一)井元義信の代に平戸藩主松浦鎮信の勧めもあって鯨組を創設、豊漁をみせたが、同四年には神浦に移し、港岸を築き、西泊にしどまり(現鯨の浦)を捌所とした。元禄四年(一六九一)加喜かきノ浦(現崎戸町)の由緒書上には鯨組として平戸領大島又兵衛組が記され(大村見聞集)外海そとめ方面に捕鯨の拠点を置く者がいた。


神浦
こうのうら

中世よりみえ彼杵そのき郡内の地名。嘉暦四年(一三二九)七月三日の東福寺領肥前国彼杵庄文書目録(正慶乱離志裏文書)にみえる神浦源藤次は当地に拠点を置く者と推定される。元亀元年(一五七〇)に来日したイエズス会日本布教長カブラル神父はこの冬、ほかの神父とともにカノラCanora・Conuraの町を含む西彼杵半島の海岸部を訪問して布教に努めており、カノラでは殿(神浦正信)が未信者であったが、説教を聞いて夫人とその子および伯父一族とともに受洗し、キリシタンになったという(一五七一年一〇月一六日「フィゲイレド神父書簡」イエズス会士日本通信)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の神浦の言及

【外海[町]】より

…西方の海上に浮かぶ炭鉱の島池島も町域に含まれる。中心集落の神浦(こうのうら)は漁港で,神浦川の上流に神浦ダムがあり,長崎市へも給水している。1959年海底炭田の池島炭鉱が出炭を開始して以来,従来の半農半漁の町から石炭産業主体に転換した。…

※「神浦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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