福祉車両(読み)フクシシャリョウ

デジタル大辞泉 「福祉車両」の意味・読み・例文・類語

ふくし‐しゃりょう〔‐シヤリヤウ〕【福祉車両】

障害者乗り降り運転に便利なように改良してある自動車。車いすに乗ったまま乗り降りできる、座席回転し昇降する、手足の不自由な人のために運転補助装置があるなどの機能がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「福祉車両」の意味・わかりやすい解説

福祉車両
ふくししゃりょう

体が不自由な人や高齢者など、自動車の乗降に困難を伴う人が使いやすいようにした自動車。市販車を基本にして、乗降を助ける装置や運転補助装置などを加えたり、ドアなど車体改造を加えたりしている。仕様にもよるが、販売店で一般車と同じように購入することができる。

 車椅子(いす)のまま車内に乗り込むことができる車椅子仕様車、座席が車体の外に降りることで乗降を助けるサイドリフトアップシート車、座席リフトアップシート車、座席回転シート車など、用途に応じてさまざまな仕様がある。このほか、手や足が不自由な人でも運転ができるように運転補助装置などを加えた仕様もある。これは運転者の運動能力にあわせて製作され、アクセルブレーキペダルを踏むことのできない人に対してはそれらを手動操作にしたモデルや、手が不自由な人のために足でハンドル操作を行うことを可能にした仕様などが設定されている。

 福祉車両の購入や使用にあたって、車両の構造要件や身体の障害程度により、減税免税などの助成を受けることができるほか、運転免許証の取得に要する費用の貸付け・助成制度もある。なお、これらの制度は自治体等によって条件が異なる。車両購入時には、消費税非課税、自動車購入資金の貸付・助成、自動車税減免、身体障害者用自動車改造費の助成などがある。購入後には、自動車税の減免、有料駐車場料金の割引一部)、燃料費の助成、有料道路通行料金の割引、駐車禁止規制適用除外、カーフェリー料金の割引などがある。

[伊東和彦]

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知恵蔵mini 「福祉車両」の解説

福祉車両

高齢者・障害者の乗り降りや運転がしやすいように工夫された自動車。高齢者や障害者が介助者に乗り降りさせてもらう「介護車」と、障害者が自ら運転する「自操車」の2種類がある。介護車には座席が回転・昇降したり、車いすのまま乗り降りしたりできる機能や装備、自操車には手足の不自由な人のための運転補助装置が施されている。各自動車メーカーから様々な車種の福祉車両が発売されており、年々、需要は増加傾向にある。購入にあたっては、消費税の非課税や自動車取得税・自動車税の減免などの優遇税制、各自治体による助成制度などが用意されている。

(2018-2-6)

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