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刈敷 かりしき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

刈敷
かりしき

「かしき」ともいう。自給肥料の一種。古代から江戸時代前期にかけて水田の基肥 (もとごえ) として広く行われた。一般に田植え前には広葉樹の若芽や草などを入会 (いりあい) 山から採取して水田に踏込み,肥料とした。そのほか,灰,厩肥,堆肥などの形で利用したが,次第に金肥に変った。

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デジタル大辞泉の解説

かり‐しき【刈(り)敷(き)】

山野の草や柴(しば)を刈り、田に緑肥として敷き込むこと。また、その草や柴。

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百科事典マイペディアの解説

刈敷【かりしき】

山野で刈った草葉を田畑に埋め,腐敗させて肥料分にすること,また草葉そのものをもいう。主に入会の山野から刈り取って,田植え前に漉き込んだ。刈り取り・運搬・漉き込みに多大の労力を要したので金肥が一般化するとすたれた。
→関連項目牛馬耕

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世界大百科事典 第2版の解説

かりしき【刈敷】

購入肥料(金肥)が一般化する明治期以前における自給肥料の一種で,山野で刈り取ったしば草を田畑に敷き肥料とすること。またその緑肥そのものを〈かりしき〉といい,〈かっちき〉〈かしき〉〈ほどろぎ〉ともいった。おもに共同採取地(入会地)から刈り取って田植前に牛馬または人力で踏み込み,水田の元肥とするもので,刈取り,運搬,踏込みに多大の労力を要したため,金肥が一般化するにつれてしだいにすたれた。【三橋 時雄】

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世界大百科事典内の刈敷の言及

【農業】より

…この種の自給経営の特色は農具の鉄製部分や塩など,その地で得られない少数のものを,生産物と交換で入手するほかは,すべての生産・生活に要する資材を自家労働で入手することである。田の肥料には田植前に山野に自生する草や灌木の若枝を刈り取り,それを生のまま踏み込む刈敷を使う。畑の肥料には朝草を多量に刈って厩に入れ,牛馬に踏ませた厩肥や堆肥を使い,自家の屎尿や作物の残屑,台所の使い水なども肥料として使う。…

【肥料】より

…ことに水田肥料の使用が大きな問題となってくるのは,中世の畿内,山陽道に水田二毛作が普及した後で,そこでは山野の草木を青刈りのまま,あるいは厩(うまや)に入れ,あるいは灰に焼いて施したのであった。中世の農業事情を示すといわれる《清良記》が遅効性を中心とした肥料論を展開し,採草給源としての山野の利用問題に言及していることは,刈敷(かりしき)が当時の主要肥料であったことを示すものである。このような事情は近世になってからも同様で,領主への年貢生産と自給だけを問題とする経営では,やはり上記のような刈敷,厩肥,堆肥,灰が基本肥料であり,人糞尿も補助的に重要視された。…

【村中入会】より

…日本の近世期における農用林野利用の一形態。小農が自立して本百姓となり,本百姓(高持百姓)を村落構成員とする近世村落(小農村落)が成立すると,自立した本百姓の生産・生活を維持・補強するために,村落構成員(本百姓)のすべてが村落規制のもとにある入会地(刈敷山(かりしきやま),柴山,秣場(まぐさば),萱場(かやば)など)に対して共同の利用権を持つ。このような農用林野の利用形態が村中入会で,林野に対する近世領主権の支配の確立と,そのもとにおける小農の本百姓への自立とをまって,はじめて成立する。…

※「刈敷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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