社会的、経済的現象の時間的経過を計数の動きによってとらえようとするとき、その動きは、趨勢(すうせい)的な変動、循環的な変動、あるいはその他の不規則な変動などのあらゆる動きが複合されたものとして観測される。移動平均はこのような計数の時間的な動きについて、循環的、不規則的な変動部分を除去し、その底流にある長期的、趨勢的な動向をみいだそうとするときに用いられる統計上の操作手法である。
その操作手続は次のように行われる。まず、統計データ系列につき平均値をとる一定期間の間隔を定め(間隔の幅は、データの種類や、どのような傾向をみようとするかによって異なる)、その間隔内にある連続したデータについて平均値を計算し、その値を連続データの中間時点の値とする。次に、一時点だけデータをずらしたものについて、やはり同間隔の連続データについて平均値をとり、それを一時点だけずれた連続データの中間点の値とする。この手続を順次繰り返して得られる計数の系列が移動平均系列である。
たとえば、デパートの売上高のように、1年を通してみたとき、かなりはっきりした季節的なパターンが認められるデータ系列については、12か月を一定間隔にとった移動平均系列を作成することによって、そのような季節的な変動に惑わされない趨勢的な売上高の動きを把握することができる。また、不規則変動のきわめて激しい株価の動きなどのデータについても、目先の動きにとらわれずに、データの中・長期的な方向を見極めるためには、この手法は非常に有用である。
[高島 忠]
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