稟議制度

人材マネジメント用語集 「稟議制度」の解説

稟議制度

上位者の決済が必要な事項を下位者より上位者へ上申し決裁する、企業における意思決定プロセスの1つの仕組みであり日本独特のものである。
・日本独特であると言われる所以は、下位者からの決済依頼が、上位者に提出され当該上位者が決済した後、更に上位の決裁者に回覧され、決済を受け、更に上位の決裁者に回り、最終決裁権限を持つレベルまでこの他段階プロセスを踏んでいくといった多段階決済の方式をとることである。
組織におけるヒエラルキーを大切にする日本企業においては重要な意思決定プロセスであるため多くの企業において用いられてきた。
稟議制度のメリットは、決済事項に関して、最終決裁者までの各階層の決裁者全員が情報を共有できることであるが、決裁まで多くの社員が介入するため、時間を要する事や責任の所在が曖昧になるデメリットもあげられ、「官僚組織」的な弊害を生む温床ともなってしまう。
・従って、現在、企業においては「稟議制度」そのものの見直しや、決裁までの時間の短縮を実現するシステムを導入する等、改善を図るケースが増えている。

出典 (株)アクティブアンドカンパニー人材マネジメント用語集について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「稟議制度」の意味・わかりやすい解説

稟議制度
りんぎせいど
request system for decision

日本の公私の組織に共通する伝統的な決定方式。日常的な事務的事項の決定の原案階統制の比較的低い段階で起草され (稟議) ,全関係者の間を回覧され,彼らがその承認を与えたのち決定権者に提出される。決定権者はこれをほぼ自動的に承認して決定を下す。この方式は関係者全員の同意もとに決定するという利点を有するが,他面,時間がかかり,視野の狭い決定になりがちである。また責任が不明確になり,長の指導力が発揮しがたいといった欠点を伴う。最近ではすでに実質的に下された決定を形式的に公式 (文書) 化するために,この方式を用いることが多い。

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