稲吉宿(読み)いなよしじゆく

日本歴史地名大系 「稲吉宿」の解説

稲吉宿
いなよしじゆく

[現在地名]千代田村下稲吉

水戸街道に置かれた宿で中貫なかぬき宿(現土浦市)まで約一里、府中宿(現石岡市)まで約二里。万治年間(一六五八―六一)創設と伝えられ、宝永七年(一七一〇)の御巡見様御通覚帳(木村家文書)に長さ四町、家数九〇とある。宿には問屋場・本陣脇本陣・旅籠が置かれ、安政年間(一八五四―六〇)には一七軒の旅籠があった(千代田村史)

宿の継立は、享保期(一七一六―三六)までは下稲吉しもいなよし村単独で行っていたが、水戸街道の交通量の増大に伴いその負担が過重になったため、定助郷村が定められた。当宿の定助郷の割当は慶応三年(一八六七)までは高割でなく、志筑しづく陣屋の指示で各村の人馬を必要に応じて出したため、負担が不公平となり問題が多かったが、同年に制度が改められ助郷高に応じた割当に変わり、志筑本堂氏領では六組の定助郷組合村(助郷高一千一〇〇―一千二〇〇石)ができた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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