稲積神社(読み)いなづみじんじや

日本歴史地名大系 「稲積神社」の解説

稲積神社
いなづみじんじや

[現在地名]甲府市太田町

一蓮いちれん寺の南東方にある。祭神は宇迦之御魂大神・大宮能売大神。旧郷社。正木しようのき稲荷ともいい、もとは一蓮寺の鎮守一条小いちじようこ山の地にあった。社名の由来は、当社の稲荷が伊勢神宮に参詣し、伊勢御師に名前を尋ねられると、一蓮寺境内の正の樹八左衛門と返答したという故事にちなむ(裏見寒話)創建は、伝承によれば崇神天皇の時代に武淳川別命が四道将軍として東征した際に当国へ立寄り、五穀豊饒を祈願して丸山(一条小山)に勧請したという。その後稲積庄を支配し、一条小山に館を構えた一条忠頼によって保護され、社領などを寄進されたと伝える(「一蓮寺御由緒調書」寺記)。文禄年間(一五九二―九六)に甲府築城に伴って一蓮寺とともに移転させられた(甲斐国志)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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