稼動率指数(読み)かどうりつしすう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「稼動率指数」の意味・わかりやすい解説

稼動率指数
かどうりつしすう

景気動向を知るための一つの経済指標で、産業の保有する生産能力のうち、現実にはどれほどが生産活動に用いられているかの割合を、ある時点を基準とする指数で表したもの。操業率指数ともいう。

 景気がよくなれば、生産能力の限界まで生産を拡大するから稼動率は上昇し、不景気になれば、一部に遊休設備が発生するため稼動率は低下する。したがって、この指数の動きを時間を追って観察するならば、生産物の需要供給の状態、すなわち景気の現状を把握し、その動く方向を予見する手助けとなる。しかし、この指標基礎となる生産能力を正確に測定することが困難であるため、この指数だけで景気を判断することには危険があり、他の経済指標とともに、総合的に用いられるべきものである。

高島 忠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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