空花(読み)くうげ

精選版 日本国語大辞典 「空花」の意味・読み・例文・類語

くう‐げ【空花・空華】

  1. 〘 名詞 〙 本来存在しない実体自我をあるかのように執着する謬見(びゅうけん)を、眼病の人が誤って空中に花を見るかのように思うことにたとえたもの。くげ。くうか。
    1. [初出の実例]「道種将萌夏夏、空花更落春」(出典:観智院本唐大和上東征伝(779))
    2. 「これひとへに夢幻空華の世途をわするるによりて」(出典:正法眼蔵(1231‐53)礼拝得髄)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「空花」の解説

空花 くうげ

?-? 江戸時代後期の漢詩人。
下野(しもつけ)(栃木県)の人。幼少のころ失明。江戸であんま業をいとなむ。大窪詩仏(おおくぼ-しぶつ)(1767-1837)と知りあい,その門に出入りして詩作にはげんだ。菊池五山の「五山堂詩話」に絶句1編がおさめられている。姓は野。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android