(読み)セツ

デジタル大辞泉 「窃」の意味・読み・例文・類語

せつ【窃〔竊〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]セツ(漢) [訓]ぬすむ ひそかに
他人の物をこっそりぬすみ取る。「窃取窃盗剽窃ひょうせつ
ひそかに。人知れず。「窃笑

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精選版 日本国語大辞典 「窃」の意味・読み・例文・類語

せつ【窃】

  1. 〘 名詞 〙 ひそかに奪って自分のものとすること。ぬすむこと。
    1. [初出の実例]「人の物をせくりとるをせつとなづく」(出典:名語記(1275)六)
    2. [その他の文献]〔荘子‐山木〕

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普及版 字通 「窃」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

(旧字)竊
23画

[字音] セツ
[字訓] ぬすむ・ひそかに

[説文解字]

[字形] 会意
旧字は竊に作り、(穴)+米+(せつ)。は小さな虫の集まる形。穀中の小虫が穀実を食いあらし、外面からは気づかれないような状態を竊という。ゆえにひそかに盗む意がある。〔説文〕七上に「盜、中より出づるを竊と曰ふ」とし、「・廿(じふ)は皆聲なり。廿は古疾、は古(せつ)なり」とするが、字は土倉中の穀が蠹食(としよく)されるさまを示す字である。蠹の初文は東((ふくろ)の象形)の中に虫のいる形。中の穀が蠹食されることを蠹といい、倉中の穀が蠹食されることを竊という。

[訓義]
1. ぬすむ、ひそかにとる、ひそかにおかす。
2. ぬすびと、禄ぬすびと。
3. ひそかに。
4. 浅に通じ、あさい。

[古辞書の訓]
名義抄〕竊 ヒソカニ・ヌスミ・ツツム 〔字鏡集〕竊 ヒソカ・ヌスミ・アサシ・アナ・ツツム

[声系]
〔説文〕に(せつ)声として竊・(かつ)の二字を収めるが、は声異なる。竊も字の構造からいえば会意、の亦声としてよい。

[語系]
竊tsyet、siatは声近く、は虫が集まりうごめく形。殷の祖神契(せつ)はまたに作り、卜文にに作る字形がある。

[熟語]
窃位・窃議窃拠・窃権窃鉤・窃号・窃国・窃視窃疾・窃取・窃書・窃笑窃攘・窃勢窃窃窃賊窃奪・窃聴窃統・窃盗・窃罵・窃犯・窃・窃柄窃慕窃眸・窃名・窃命・窃毛窃弄窃禄
[下接語]
隠窃・姦窃・拠窃・狗窃・寇窃・窃・攘窃侵窃・僭窃・鼠窃・草窃・勦窃・貪窃・叨窃・盗窃・剽窃

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