窮鳥懐に入れば猟師も殺さず(読み)キュウチョウフトコロニイレバリョウシモコロサズ

精選版 日本国語大辞典 の解説

きゅうちょう【窮鳥】 懐(ふところ)に入(い)れば=猟師(りょうし)[=狩人(かりびと)]も=殺(ころ)さず[=助(たす)く・=捕(とら)えず]

  1. 追いつめられて逃げ場を失った者が救いを求めて来れば、どのような理由があるにしても、助けてやるのが人間の道であるということのたとえ。
    1. [初出の実例]「爰に両度の臨幸を、山門に許容申たりしは、一往衆徒の僻事に似て候へ共、窮鳥入懐時、狩人哀之不(キウてうフトコロニいルときハカリひとモこれヲあはレミコロサざル)事にて候」(出典太平記(14C後)一八)

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ことわざを知る辞典 の解説

窮鳥懐に入れば猟師も殺さず

追いつめられた鳥が懐の中に入っては、いくら猟師でも殺すことはできない。人が困窮して救いを求めて来れば、助けるのが人情であるということ。

[使用例] 福さんは二人を歓迎しているのか、迷惑がっているのか判らぬことを言っているが、窮鳥懐に入っては放っておけぬ性質で、私はホッと胸を撫でおろした[今日出海*駆落ち結婚式|1950]

[解説] 「顔氏家訓省事」にあることばから。「窮鳥懐に入る」だけでも使われます。

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