竜岩(読み)りゅうがん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「竜岩」の意味・わかりやすい解説

竜岩
りゅうがん / ロンイエン

中国、福建(ふっけん)省南西部の地級市。1981年市制施行。2市轄区、上杭(じょうこう)県、長汀(ちょうてい)県など4県を管轄し、漳平(しょうへい)市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口307万1000(2014)。市街は九竜江上流の雁石(がんせき)渓に沿って開ける。市内には竜永炭田、馬坑鉄山などの鉱山が多く、銑鉄(せんてつ)、機械、紡織、染色などの工業が立地する。農村部では米、サツマイモ、タバコ、ラッカセイなどを産出する。福建省西部と広東(カントン)省を結ぶ交通の要地で、漳竜線(漳平(しょうへい)―竜岩)、贛竜線(贛州(かんしゅう)―竜岩)、竜厦(りゅうか)高速鉄道(竜岩―厦門(アモイ))のほか広東省梅県(ばいけん)へのバス路線が通じる。

[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年3月21日]

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改訂新版 世界大百科事典 「竜岩」の意味・わかりやすい解説

竜岩 (りゅうがん)
Lóng yán

中国,福建省南西部,九竜江上流域,漳州から長汀を経て江西省の瑞金にいたる公路上にある市。竜巌とも書く。人口54万(2000)。竜岩地区の中心で漳平市と5県を管轄する。鷹厦(ようか)鉄道(鷹潭~厦門(アモイ))の支線(漳竜線(漳平~竜岩))が市内を通る。唐代に県がおかれ最初新羅と呼んだが,まもなく竜岩に改められた。江西省の瑞金が中華ソビエト共和国の首都であった時代(1931-34)には竜岩を中心に閩西(びんせい)ソビエト区がおかれていた。1981年に市制を敷いた。省内の主要な炭田の一つで無煙炭を産する。食品,機械,紡績などの工業が発達し,とくにタバコの生産量では省の約半分を占める。山間の小盆地では米,タバコ,サトウキビが栽培され,山地では良質の杉材を産出する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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