中国、福建(ふっけん)省西部の県。人口52万9300(2015)。武夷(ぶい)山脈東麓に位置し、韓江(かんこう)上流の汀江(ていこう)に沿う。竜岩(りゅうがん)地級市に属する。武夷山脈を越え江西(こうせい)省へ通じる交通の要地に開け、明(みん)・清(しん)代には汀州(ていしゅう)府の府治が置かれた。多くの客家(ハッカ)人が移住してきた地で、「客家首府」の別称がある。県内は水稲、サツマイモ、大豆、ナタネ(アブラナ)、茶の生産が盛んであるとともに、河田鶏というニワトリを特産とする。林産物も多く、菅笠(すげがさ)、雨傘、皮枕などの工芸品の特産物がある。古建築の雲驤閣(うんじょうかく)のほか、第二次国内革命戦争(1927~1937)当時の歴史を物語る瞿秋白(くしゅうはく)記念碑などの革命史跡が多い。
[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年3月21日]
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