端野 いせ(読み)ハシノ イセ

20世紀日本人名事典 「端野 いせ」の解説

端野 いせ
ハシノ イセ

昭和期の女性 歌謡曲岸壁の母」のモデル。



生年
明治32(1899)年

没年
昭和56(1981)年7月1日

出生地
石川県

出身地
北海道函館市

経歴
昭和5年函館で夫と死別。間もなく長女も亡くす。19年秋一人息子の新二は19歳で応召。終戦時、旧満州(中国東北部)で消息を絶ち、終戦後の25年から10年間、ナホトカから京都府の舞鶴港に着くたびに、岸壁で待ち続けた。31年戦死公報が届いた後も待ち続けた。この間、29年に菊池章子がいせさんをモデルにした「岸壁の母」を歌って大ヒット、47年には二葉百合子レコードに吹き込み、51年をピークに再び大流行し、LP、シングル盤合わせて約250万枚が売れた。49年待ち続ける母の願いと、それまでの苦闘の生活をつづった「未帰還兵の母」を書いた。死後19年後の平成12年新二の生存が明らかとなる。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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