ナホトカ(読み)なほとか(英語表記)Находка/Nahodka

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナホトカ」の意味・わかりやすい解説

ナホトカ
なほとか
Находка/Nahodka

ロシア連邦東部、沿海地方の港市。日本海に向かって開くアメリカ湾の湾奥北西部にある支湾ナホトカ湾に位置する。人口15万9800(1999)。波静かな不凍港を有し、シベリア鉄道支線終点となっている。港はロシア連邦極東の重要な国際港であり、漁業根拠地でもある。船舶修理、ブリキ缶、漁業コンビナート、鉄筋コンクリート建材などの工業がある。19世紀なかば過ぎにロシアの軍艦アメリカ号が偶然「発見」して命名したのがアメリカ湾で、ナホトカとは「みつけもの」の意(ナホトカ湾は1859年に「発見」)。1944年から港湾建設が始められ、50年には市となり発展したが、貨物の受入れ能力が限界に達したので、同じアメリカ湾内の東方18キロメートルにあるウランゲル湾に、ロシア連邦極東で最大となる新しいボストーチヌイ(東方)港を建設した。ナホトカには日本人墓地があり、1967~93の間日本総領事館が開設されていた。また、京都府舞鶴(まいづる)市、北海道小樽(おたる)市と姉妹都市の関係にある。

[三上正利]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナホトカ」の意味・わかりやすい解説

ナホトカ
Nakhodka

ロシア南東部,プリモルスキー地方の都市。ウラジオストクの東南東約 90km,ピョートル大帝湾東部の支湾アメリカ湾の湾奥にある港湾都市。天然の良港で,1859年ロシアの砲艦『アメリカ』号が嵐にあい,この入江に漂着して助かったことからナホトカ (ロシア語で「掘出し物,もうけ物」の意) と名づけられた。第2次世界大戦中,連合軍の援助物資の荷揚げ地として利用され,すぐれた自然条件とウラジオストクが手狭になったことから,戦後港湾として急速に発展。商港としてのほか,漁港としても重要となった。船舶修理,セメント木材加工などの工業がある。ウラジオストクとは水路のほか,鉄道,ハイウェーで連絡。 1971年より市の東 18kmのウランゲリ湾に貿易専用のボストチヌイ港が日本の協力で建設され,木材,石炭コンテナなどの専用岸壁もつくられている。日本では戦後の引揚げ者の乗船港として,またロシア観光の船舶の出入港としてよく知られている。人口 15万9695(2010)。

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