竹細工の一種で,子どもの遊び具の一つ。遊びには,竹とんぼを作る創作の面と,それを飛ばし合って高さや滞空時間を競うという2面がある。作り方は,長さ10cm,幅1.5~2cmくらいに割った竹を,左右のバランスを配慮しながらプロペラ形に薄く削り,翼の部分とする。心棒は翼に対して1.5倍くらいの長さにし,丸細く削って翼の中心部に直角にさす。これが一般的な竹とんぼである。そのほか,翼の中心に左右二つの穴をあけ,心棒の先端をふたまたにしてその穴に入れ,心棒を回転させて翼だけを飛ばすもの,心棒の受け竹を作り,心棒に巻きつけた糸を引くことによって心棒を回転させ,翼だけを飛ばすようにくふうしたものもある。創始はつまびらかでないが,江戸後期ころの竹とんぼを売り歩く行商人の絵が,《江戸と東京風俗野史》に描かれているところから,当時すでに行われていたことは明らかである。
執筆者:半澤 敏郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報