笠舞村(読み)かさまいむら

日本歴史地名大系 「笠舞村」の解説

笠舞村
かさまいむら

[現在地名]金沢市笠舞一―三丁目・笠舞本町かさまいほんまち一―二丁目・城南じようなん一丁目・菊川きくがわ一―二丁目・小立野こだつの三丁目・本田町ほんだまち一丁目

法島ほうじま村・大桑おおくわ村の北、犀川中流東岸に位置し、北東金沢城下に続く。集落は上・下の二つに分れる。石浦いしうら神社を産土神とする石浦七ヵ村の一。城下に隣接していたことから藩の御用地として召上げられたり、下級武士や町人相対で御付ける相対請地が増加して、早くから村地の町場化が進んでいた。「天文日記」天文五年(一五三六)一二月一〇日条に幕府奉行人飯尾大和守尭連知行分として「笠舞等」がみえる。尭連は代官飯尾弥八・同彦左衛門を通じて本願寺に当地などからの年貢納入の口添えを依頼、同月二一日本願寺証如はこれを了承している(賀州本家領請付日記)。慶長一一年(一六〇六)長らく他出していた石浦神社の本地仏長谷観音の返還を求める訴訟で、七ヵ村が一味同心を誓約した連判状(加藩国初遣文)に「笠舞村久介」の名がみえる。正保郷帳では石浦村と併記され、両村合せて高六五〇石、田方四一町五反余・畑方一町八反余。ほかに両村の新田高八二石が載る。慶安元年(一六四八)検地大分の出高となったために、翌年には半納にも及ばぬ未進となった石川郡一四カ村の一で、同四年にこの一四ヵ村などで行われた「ゆり直し検地」が改作仕法の嚆矢となったともいう(「改作所旧記」など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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