筋兜(読み)スジカブト

デジタル大辞泉 「筋兜」の意味・読み・例文・類語

すじ‐かぶと〔すぢ‐〕【筋×兜】

鉢のはぎ合わせの鋲頭びょうとうを出さずにへりの筋だけを立てた兜。

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精選版 日本国語大辞典 「筋兜」の意味・読み・例文・類語

すじ‐かぶとすぢ‥【筋兜】

  1. 筋兜〈細川澄元像〉
    筋兜〈細川澄元像〉
  2. 〘 名詞 〙 鉢の張り合わせに、星と呼ぶ笠鋲(かさびょう)を用いないで、からくりどめとして、縁(へり)の筋だけを立てた兜。
    1. [初出の実例]「扨八番には黄糸の鎧にすぢかぶと黒き母衣(ほろ)かけ、白眼(さめ)なる馬い乗ったる武者は誰やらん」(出典浄瑠璃・頼光跡目論(1661‐73頃)三)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「筋兜」の意味・わかりやすい解説

筋兜
すじかぶと

鎌倉時代末期頃から出現した兜の一種兜鉢梯形の鉄板金を縦にはぎ合せて鋲留めしてあるが,板金の片側の端を折立てて,鋲は表裏でかしめてある。南北朝時代以後の胴丸腹巻に付属する兜はほとんど筋兜に限られていた。筋兜の形にはいわゆる前勝山形,後勝山形,阿古陀形などがあり,筋は 24間,32間,48間が古く,黒漆塗りで筋と腰巻に鍍金覆輪を施した総覆輪筋兜がある。なお当世具足に付属している筋兜には 62間,84間,120間に及ぶものがあり,明珍派,早乙女派など甲冑師の銘を鉢裏に入れたものが少くない。

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世界大百科事典(旧版)内の筋兜の言及

【冑∥兜】より

はすそが開いて杉成形からいわゆる饅頭とかわり,吹返しの返りは強くためている。南北朝以前の冑は遺品によればほとんど星冑に限られているが,南北朝時代の胴丸に具足している冑は,だいたいに筋冑(すじかぶと)である。筋冑ははぎあわせの鋲頭(びようがしら)を立てずにからくり,地板の外縁をひねり返して筋を立てたもので,鉢の形はしだいに阿古陀(あこだ)形を表し,も時代の進むにつれて笠形に開いた笠とかわり,吹返しは小さくなっている。…

※「筋兜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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