筒井神社(読み)つついじんじや

日本歴史地名大系 「筒井神社」の解説

筒井神社
つついじんじや

[現在地名]永源寺町蛭谷

御池おいけ川北岸にある。筒井正八幡神社・筒井八幡宮ともよばれ、明治初年筒井峠の南、筒井から山裾の現在地へ移転した。祭神は宇佐八幡神と惟喬親王。貞観七年(八六五)勧請と伝え、木地屋との関係が深い。

〈近江・若狭・越前寺院神社大事典〉

〔木地屋根元地伝説〕

蛭谷ひるたにきみはたとともに轆轤を使って椀や盆を作った木地屋集団の発祥地として知られる。惟喬親王がこの小椋おぐら谷の地で轆轤の技術を杣人に教えたと信じられ、親王を職能の祖とする木地屋は当地を本貫としながら全国を移り住み、山々の木を自由に伐っていた。木地屋の使う轆轤は近代になるまで手挽きとよばれた二人挽きのもので、じゆくさんともよび、親王さんから授かったものとして尊重されてきた。山の木を伐り尽すと次の山へ移っていくという有様を、木地屋の宿替え(斐太後風土記)とか、飛び(新編会津風土記)とも称した。轆轤による工作は早く奈良県田原本たわらもと唐古からこ遺跡出土の木製高坏、奈良法隆寺の百万基小塔、宮城県多賀たが城出土の木器などにみられ、特定の渡来系技術集団が有力者に庇護されて工作したものとされるが、これが中世以後諸職としての生業をうみ、轆轤師集団が作られる背景となる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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