日本歴史地名大系 「箱館裁判所・箱館府」の解説
箱館裁判所・箱館府
はこだてさいばんしよ・はこだてふ
箱館裁判所は明治新政府が蝦夷地に設置した最初の役所で、民政一般を担当した。明治元年(一八六八)二月公卿清水谷公考と高野保建は、ロシアの南下政策に対処するため蝦夷地開拓の建議書を提出、これを重視した岩倉具視は、同年三月、蝦夷地開拓を策問し、人事を第一に箱館裁判所の創設を決定した。四月一二日軍防事務局督嘉彰親王を総督に、侍従清水谷公考、越前大野藩主土井利恒を副総督に任命し(土井は閏四月五日辞任)、また北方警備に強い関心をいだいていた井上石見・岡本監輔らに箱館在勤を命じた。しかし嘉彰親王が総督就任を固辞したことから閏四月五日清水谷を総督としている(「太政官日誌」維新日誌、「内国事務局叢書」復古記など)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報