篇・編(読み)へん

精選版 日本国語大辞典 「篇・編」の意味・読み・例文・類語

へん【篇・編】

[1] 〘名〙
① 一まとまりの詩歌、文章。
※文華秀麗集(818)下「神泉苑九日落葉篇。一首。御製」 〔漢書‐武帝紀〕
② 一つづりになっている書物
※栂尾明恵上人遺訓(1238)「説法の篇より法師共云なり」
③ 書物を内容からいくつかに分けた部分。書物を部分けした一部分
史記抄(1477)三「周官とは礼記を云か、此は尚書の篇の名なり」 〔隋書‐経籍志三〕
④ (「へんもく(篇目)」の略) 掟(おきて)。法令。
吾妻鏡‐寛元元年(1243)二月二五日「諸御家人任官間事、日来内々被沙汰、今日、於評議治定之篇
⑤ 根拠。廉(かど)。わけ。
※東寺百合文書‐は・建武元年(1334)七月日・若狭太良荘時沢名本名主国広代行信重申状「実円依何篇、奉寺家不忠
⑥ 当該の課題・問題。
※醍醐寺新要録(1620)「嘉祿二年三月六日官符云〈略〉応永修造表白事〈略〉傾首於興隆之篇
[2] 〘接尾〙 (促音撥音のあとに付くとき「ぺん」となる)
① 詩歌、文章、あるいは書物を数えるのに用いる。
明衡往来(11C中か)上本「難波津古風一篇事」 〔漢書‐司馬遷伝〕
② 書物を内容からいくつかに部分けした部分の数を示すのに用いる。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)四「狂言綺語の戯れも、三編すでに御意に恊ひ、是非四編目の御望に」 〔漢書‐陸賈伝〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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