(読み)ヘラ

デジタル大辞泉 「篦」の意味・読み・例文・類語

へら【×篦】

竹・木・象牙ぞうげ金属などを細長く薄く平らに削り、先端少しとがらせた道具。布や紙に折り目や印をつけ、または物を練ったり塗ったりするのに用いる。
篦鮒へらぶな」の略。「釣り」

の【×篦】

矢の竹の部分矢柄やがら
ヤダケ古名。〈和名抄

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「篦」の意味・読み・例文・類語

へら【篦】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 竹・木・金属または象牙を細長く平たくし、先のへりをややとがらせたもの。折り目や印をつけたり、物を練ったり塗ったり、その他いろいろに用いる。
    1. [初出の実例]「廿九日符壱道〈応運箆并礪状〉以十二月八日到国」(出典:正倉院文書‐天平六年(734)出雲国計会帳)
  3. 「篦刀(へらがたな)」の略。臍(へそ)の緒を切るのに用いる竹製の刀。〔書言字考節用集(1717)〕
  4. ( は塗るのにもはがすのにも使うところから ) どちらへも都合のよいような、あいまいな態度。いいのがれ。ごまかし。→篦を使う
    1. [初出の実例]「帰り道へらのくめんを思案ばし」(出典:雑俳・とはず口(1739))
  5. 植物しなのき(科木)」の異名
  6. へらまし(篦増)

の【篦】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 植物「やだけ(矢竹)」の異名。〔十巻本和名抄(934頃)〕
  3. 矢の竹の部分。矢竹で製した矢柄
    1. [初出の実例]「鷲の本白をくゎうたいくゎうののに矧ぎて宮の御前を押し開き、無道射させんとぞ思ふ」(出典:梁塵秘抄(1179頃)二)

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【弓道】より

…なお弦は,古くから一貫して麻が使用されてきたが,近年になり化学繊維のものもある。矢は篦(の)(矢軸,簳(やがら)),筈(はず),矢羽,鏃(やじり)から構成されている。篦は多く矢篦竹(やのちく)が使用されるが,現代ではジュラルミン製,グラスファイバー製のものもある。…

※「篦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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