① 矢の幹。主として篠竹(しのだけ)で作る。その作り方によって種々の名称があり、節の所を少し焦がして色をつけたものを焦篦(こがしの)、透漆を淡く塗ったのを拭篦(のごいの)、黒漆を淡く塗ったのを醂篦(さわしの)または錆篦(さびの)、節のくぼみに漆をたらしこめて塗ったのを節陰(ふしかげ)、焦がしも塗りもしないのを白篦(しらの)という。篦(の)。〔十巻本和名抄(934頃)〕
② ヨウジウオ目ヤガラ科の海産魚の総称。日本にはアカヤガラとアオヤガラの二種がいる。いずれも体はきわめて細長く、全長一・五メートルに達する。吻は管状に伸びる。体にうろこはない。アカヤガラは背方は灰色を帯びた赤褐色で、腹方は白色。アオヤガラは、やや青味がかるともいわれるがあまり明瞭ではない。本州中部以南、東部太平洋を除く全世界の暖海沿岸に分布。肉は刺身、吸い物などとし、特に夏が美味。ふえふき。やがらうお。