矢柄(読み)ヤガラ

デジタル大辞泉 「矢柄」の意味・読み・例文・類語

や‐がら【矢柄/矢幹/×簳】

矢の幹。やじり矢羽根を除いた部分。普通は篠竹しのだけで作る。矢篦
(「簳魚」とも書く)ヨウジウオ目ヤガラ科海水魚総称。体は細長くて縦扁し、ふんも管状で長く、尾びれ中央の軟条が糸状に長く伸びている。体色が赤褐色のアカヤガラ青みを帯びた黄褐色アオヤガラが本州中部以南に分布し、ともに全長約1.5メートル。椀種わんだねなどにする。
植物ミクリ別名
矢柄投げ」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「矢柄」の意味・読み・例文・類語

や‐がら【矢柄・矢幹・簳】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 矢の幹。主として篠竹(しのだけ)で作る。その作り方によって種々の名称があり、節の所を少し焦がして色をつけたものを焦篦(こがしの)、透漆を淡く塗ったのを拭篦(のごいの)、黒漆を淡く塗ったのを醂篦(さわしの)または錆篦(さびの)、節のくぼみに漆をたらしこめて塗ったのを節陰(ふしかげ)、焦がしも塗りもしないのを白篦(しらの)という。篦(の)。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「驚き取り上げ見れば矢の根もなき二本の簳(ヤガラ)」(出典:浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)四)
  3. ヨウジウオ目ヤガラ科の海産魚の総称。日本にはアカヤガラとアオヤガラの二種がいる。いずれも体はきわめて細長く、全長一・五メートルに達する。吻は管状に伸びる。体にうろこはない。アカヤガラは背方は灰色を帯びた赤褐色で、腹方は白色。アオヤガラは、やや青味がかるともいわれるがあまり明瞭ではない。本州中部以南、東部太平洋を除く全世界の暖海沿岸に分布。肉は刺身、吸い物などとし、特に夏が美味。ふえふき。やがらうお。
    1. [初出の実例]「矢柯(ヤガラ)と名に付し目なれぬ魚もおかしく」(出典:浮世草子懐硯(1687)二)
  4. やがらなげ(矢柄投)〔古今相撲大全(1763)〕

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