粉河産土神社(読み)こかわうぶすなじんじや

日本歴史地名大系 「粉河産土神社」の解説

粉河産土神社
こかわうぶすなじんじや

[現在地名]粉河町粉河 六社壇

粉河寺本堂後方の小高い地に鎮座する。祭神丹生にう大明神・若一王子権現。旧村社。たのもしの宮とも称する。「続風土記」に、粉河寺を創建した大伴孔子古の子船主が、延暦年中(七八二―八〇六)に当社北東の上丹生谷かみにうや(現粉河町)丹生神社から勧請したと伝え、保延四年(一一三八)三月二五日の藤原公能寄進(粉河寺御池坊文書)に「又丹生之霊社者、当寺之鎮護也、然其宝前奉読長日大般若経、香華薫修」とあり、平安時代末期には鎮座していたことが知られる。

鎮座地を六社壇ろくしやだんと称するように、当社はもともと六社が祀られており、すでに平維盛が粉河寺に参詣した時には「伏テ案レハ神則霊験無双之六廟祠、飜垂跡本地於遮那覚海之浦(延慶本「平家物語」維盛粉河へ詣給事)と記され、霊験無双の六廟祠として知られていたものと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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