粉河町(読み)こかわまち

日本歴史地名大系 「粉河町」の解説

粉河町
こかわまち

[現在地名]粉河町粉河

粉河村の中央西寄り、中津なかつ川西岸に位置する粉河寺の門前町。応永三年(一三九六)五月三日付の中司頼春夫役定書(鞆淵八幡神社文書)に「粉川市」と記されるのがその前身と思われる。「続風土記」は「商賈多く市軒を並へ町名十七町に分る」とあり、その町名としてきた町・橋詰はしづめなか町・みなみ町・天福前てんぷくまえ町・這上はいあがり町・いし町・竹屋たけや町・古堂ふるどう小路・鍛冶かじ町・うら町・おく町・根来ねごろ小路・加羅陀からだ山・くら垣内かいとうえだんしん町をあげている。「紀伊名所図会」は町の産物として

<資料は省略されています>

とある。また「南町に田辺屋新四郎といふ家あり、当所観音縁起をはじめて、霊場記・西国順礼道中記等をひさぐ」とか、「鋳物師 範頭左兵衛といふ、元祖は吹井福芳、弘法大師御請来の仏器を此地にて鋳し家なり、今は故ありて福井と改む。


粉河町
こかわちよう

面積:七七・八五平方キロ

和歌山市と橋本市のほぼ中間に位置し、那賀郡の中央東部寄りに紀ノ川を挟んで南北に長く広がる。北は和泉山脈を境に大阪府と、西は那賀郡打田うちた町、南は桃山ももやま町、東は伊都いと郡かつらぎ町・那賀郡那賀町とに接する。

町域は三つに分けられ、北部山地はなだらかな段丘をなして南に広がり、段丘は東の名手なて川、中央の中津なかつ川、西の松井まつい川によって分断され、町の中心市街地は中津川下流、段丘先端部の谷間に発展する。南面する段丘は古くから耕地として利用され、段丘と山岳部の接点付近から上は柑橘の適作地とされる。中央低地は町域のほぼ中央を西流する紀ノ川の流域で、藤崎井ふじさきい用水小田井おだい用水・安良見井あらみい用水等によって灌漑される水田地帯であるが、紀ノ川南岸は全国的に知られたハッサク園となっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android