粘液分泌促進剤(読み)ネンエキブンピツソクシンザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「粘液分泌促進剤」の解説

粘液分泌促進剤

製品名
《アルジオキサ製剤》
アルキサ(小林化工)
アルジオキサ(コーアイセイ、鶴原製薬、東和薬品、日医工、陽進堂)
《セトラキサート塩酸塩製剤》
ノイエル(第一三共エスファ、第一三共)
ラクマーゼ(東和薬品)

 胃粘膜の血液循環を改善するプロスタグランジンを増やす(プロスタグランジンには、胃酸の分泌を抑える、胃粘膜の血液循環をよくする、粘液の分泌を増加させる、胃粘膜に生じた障害を修復する、潰瘍かいようの発生を抑えて潰瘍治癒を促すといった作用がある)、胃粘膜に生じた創傷(きず)の治癒を促進するといった、消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)の防御因子を増強する作用をもつ薬です。また、胃酸やペプシンなど、消化性潰瘍の攻撃因子の分泌を抑えるという作用もあり、両面から治療できる薬です。


 副作用もほとんどないことから、とくに胃潰瘍胃炎の治療に使用されます。


 これといった重大な副作用はありませんが、発疹ほっしんなどの過敏症状がおこることがあります。こうした症状がおこったときは、使用を中止して医師にすぐ報告してください。


 口の渇き、吐き気嘔吐おうと下痢便秘、胃部の不快感などの症状をおこすことがあります。こうした症状がおこったときは、医師に相談してください。


①いろいろな剤型がありますが、1日3~4回の服用原則です。ただし、1日あるいは1回の服用量、服用時間については医師・薬剤師指示を守り、かってに中止したり、減量・増量しないでください。


 また、服用するときは、十分な水(コップ1杯の水)で飲んでください。


②長期間服用しないと効果の現れない薬ですから、かってに中断せず、指示された期間、継続して服用することが大切です。


消化性潰瘍治療剤は、1日の服用のうち、夕食後の服用はとくに効果があるので、忘れずに服用してください。


透析療法を受けている人はアルジオキサ製剤を使用できません。また、セトラキサート塩酸塩製剤は、血栓症けっせんしょう、消費性凝固障害(出血が止まらないなど)のある人、妊婦、妊娠している可能性のある人には、服用量を減量するなどの配慮が必要です。このような人は、あらかじめ医師に報告してください。


⑤この薬を使用中にほかの薬を使用する必要が生じたときは、医師に相談してください。


 アルジオキサ製剤では、テトラサイクリン系抗生物質キノロン系合成抗菌剤と併用すると、併用した薬の吸収を抑制することがあります。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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