テトラサイクリン系抗生物質(読み)テトラサイクリンけいこうせいぶっしつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリンけいこうせいぶっしつ

テトラサイクリン核をもつ抗生物質。抗菌スペクトルが広く,リケッチアや一部のウイルスアメーバにも有効である。細菌の蛋白合成,酸化的代謝阻害,代謝などに必要な陽イオンキレートが作用機序をになう。かつてはクロラムフェニコールとともに,抗生物質の双璧として,多く用いられたが,耐性菌がふえたため,他の抗生物質に取って代られた。内服に際し,金属を含むものと一緒に服用することは禁忌である。副作用は一般に少く軽度であるが,小児で黄歯,骨発育障害,肝臓障害などを起すことが特徴的である。ほかに他の抗生物質と同様,菌交代症,ビタミンB欠乏症などがみられることがある。

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