日本大百科全書(ニッポニカ) 「紀北(町)」の意味・わかりやすい解説
紀北(町)
きほく
三重県南部、北牟婁郡(きたむろぐん)にある町。2005年(平成17)紀伊長島町と海山町(みやまちょう)が合併して成立。北側から大台山系が迫り、南は熊野灘(なだ)に臨むリアス海岸で、平地に乏しく、集落は湾奥に点在する。町域の85%以上が山林で占められ、内陸部は年間の降水量が4000ミリメートルを超える多雨地帯である。JR紀勢本線、紀勢自動車道、国道42号(熊野街道)、260号、422号が通じる。スギ、ヒノキなどの良質な建築材を生産する林業が盛んで、ミカン栽培や養鶏も行われている。また漁業も盛んで、引本(ひきもと)港は遠洋漁業の基地となっており、そのほか、矢口浦、白浦、島勝浦、長島の各漁港があり、カツオ、サバ、ブリ、イセエビ、アワビ漁などが行われる。城ノ浜地区の熊野灘レクリエーション都市(熊野灘臨海公園)には海水浴場やオートキャンプ場があり、ホテルなどの宿泊施設も建設されている。長島港の南南東に浮かぶ大島の暖地性植物群落は国の天然記念物に指定されている。面積256.54平方キロメートル、人口1万4604(2020)。
[編集部]
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