日本大百科全書(ニッポニカ) 「納富寿童」の意味・わかりやすい解説
納富寿童
のうとみじゅどう
(1895―1976)
琴古(きんこ)流尺八家。初世。本名安治。旧制佐賀中学4年のころ尺八を始め、2年後の1915年(大正4)東京に出て3世荒木古童(こどう)に内弟子入りをした。16年に寿童を許され、17年には代稽古(だいげいこ)を勤めるまでになった。23年に3世古童没後、琴古流荒木派の主軸として活躍。一方、吉田晴風(せいふう)、井上重美、初世青木鈴慕(れいぼ)、神如道(じんにょどう)ら5人の尺八家で竹道会を結成、派を越えて琴古流隆盛に努め、67年(昭和42)尺八界では初の重要無形文化財保持者に認定された。その長男哲夫(1929― )が2世を継いでいる。
[月溪恒子]
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