純熟(読み)ジュンジュク

デジタル大辞泉 「純熟」の意味・読み・例文・類語

じゅん‐じゅく【純熟/×淳熟】

[名](スル)
よくなれること。
気候変換に―せる家畜」〈雪嶺真善美日本人
なれ親しむこと。和やかになること。
「女どもおのづから―して無用の争ひをくやみ」〈浮・桜陰比事・一〉
機が熟すること。
「高慶、たちまちに―して、平家の一族追討のために上洛せしむる手あはせに」〈平家一一

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精選版 日本国語大辞典 「純熟」の意味・読み・例文・類語

じゅん‐じゅく【純熟・淳熟】

  1. 〘 名詞 〙
  2. よくなれ親しむこと。互いに心がやわらぎなごやかになること。和熟(わじゅく)
    1. [初出の実例]「吉々(よくよく)信心を堅固にし、誓願を勇猛(ゆうみゃう)にして、妄業(もうごう)にひかるる事なくして道行を純熟(ジュンジュク)すべし」(出典:米沢本沙石集(1283)九)
    2. [その他の文献]〔蘇軾‐和郭功甫韻送芝道人游隠静〕
  3. 時機などが十分に熟すること。事がととのうこと。
    1. [初出の実例]「悉地純熟。甘澍滂沱」(出典:釈氏往来(12C後)六月日)
    2. 「入唐求法の時、機縁純熟(ジュンジュク)して、此仏忽夢の中にいり」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)中)
  4. 慣れること。熟練すること。
    1. [初出の実例]「外国に在て山地に生育し、気候の変換に馴熟せる家畜を移し来りて」(出典:真善美日本人(1891)〈三宅雪嶺〉日本人の任務)

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普及版 字通 「純熟」の読み・字形・画数・意味

【純熟】じゆんじゆく

成熟

字通「純」の項目を見る

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