素性法師(読み)そせいほうし

改訂新版 世界大百科事典 「素性法師」の意味・わかりやすい解説

素性法師 (そせいほうし)

平安前期の歌人生没年不詳。三十六歌仙の一人。僧正遍昭の子。俗名良岑玄利(よしみねのはるとし)。出家して雲林院に住み,896年(寛平8)雲林院に行幸の日,権律師となり,後に石上(いそのかみ)の良因院に移った。宇多天皇時代に最も活躍し,《古今集》の撰者たちと親交があった。《古今集》以下の勅撰集に60首,家集に《素性集》がある。歌風軽妙洒脱の中にも優美さがあり,〈見わたせば柳桜をこきまぜて宮こぞ春の錦なりける〉(《古今集》巻一)などの静止的で絵画風な歌の中にもその一端がうかがわれる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 僧正遍昭 正夫

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「素性法師」の意味・わかりやすい解説

素性法師
そせいほうし

平安時代中期の歌人。三十六歌仙の一人。僧正遍昭 (へんじょう) の子。俗名,良岑玄利 (よしみねのはるとし) 。出家して,雲林院や良因院に住んだ。『寛平御時后宮歌合』に出詠し,昌泰1 (898) 年宇多上皇の宮滝御幸に供奉して和歌を詠み,延喜5 (905) 年藤原定国四十賀の屏風歌を詠進している。家集に『素性集』があり,『古今集』以下の勅撰集に 65首近く入集。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む