細々要記(読み)さいさいようき

改訂新版 世界大百科事典 「細々要記」の意味・わかりやすい解説

細々要記 (さいさいようき)

南北朝時代興福寺東金堂の僧,金勝院実厳・禅実の日記。7巻。原本はなく抄本が《真本細々要記》《細々要記抜書》と題してそれぞれ《続史籍集覧》《大日本仏教全書》に収載されている。1334-91年(建武1-元中8・明徳2)の記事があり,この時期の緊迫した社会動向や興福寺寺院組織を知るうえで貴重な史料。なお《史籍集覧》に収める《七巻冊子》は,同じく東金堂に伝来したものであるが,別本と推測される。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「細々要記」の意味・わかりやすい解説

細々要記
さいさいようき

『七巻冊子』『七条冊子』ともいわれる。興福寺に関する記録。7巻。奈良興福寺金勝院 (こんしょういん) の僧侶実厳,禅実らによって記され,建武1 (1334) 年から元中3=至徳3 (86) 年に及ぶ。簡略で断片的な記事がある。別に建武1年から天授3=永和3 (77) 年にわたるかな交り文の雑史があり,『七巻冊子』と誤って呼ばれているが,本書とはまったく違うものである。『史籍集覧』その他所収。

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