中国、陝西(せんせい/シャンシー)省南部、秦嶺(しんれい/チンリン)山脈中部に位置する名峰。単に南山また周南山、太乙(たいいつ)山などとも称する。南五台山、翠華(すいか)山、驪山(りざん)、圭峰(けいほう)山など、古都西安(せいあん/シーアン)の南部山地の歴史的伝承に富み、風景の美しい諸峰の総称でもある。主峰は標高2604メートル。なかでももっとも景勝の地として有名なのは翠華山で、山上には水湫池(すいしゅうち)と称する湖水があって、周囲は観光の中心となり、山腹には漢の武帝が建てた太乙宮の遺跡がある。南五台山には古くから多くの寺院が建てられ、いまも隋(ずい)代の古塔が残る。
[秋山元秀]
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