終活本(読み)しゅうかつぼん

知恵蔵 「終活本」の解説

終活本

人生の最期に向け、葬儀やお墓の準備、遺言の用意などを始める「終活」のための本。「終活」は2009年8月~12月まで「週刊朝日」で連載された記事「現代終活事情」で生まれた造語
連載記事「現代終活事情」では読者からの反響も大きく、その後出版社各社が次々と終活本を発売するに至った。反響が大きかった背景には、高齢化社会により老い方について考える人が増えたこと、核家族化や少子化により、これまでの墓石代々受け継ぐような供養の形が変わってきていること、地域社会の変容により、葬式の形や執り行い方に変化が現れていることなどがあると考えられている。
終活本は、10年1月に発売されベストセラーともなった、宗教学者の島田裕巳氏による日本の葬式や戒名について構造的に解説する『葬式は、要らない』(幻冬舎新書)や、週刊朝日での連載記事をまとめた『わたしの葬式 自分のお墓』(朝日新聞出版)など多数。その他に、遺言の書き方や、よいお墓の選び方、財産分与の仕方など、ジャンルごとに分かれた本や、総合的に「終活」についてまとめた本、遺族へ伝えたいことを記す「エンディングノート」などがある。テレビ番組でも「終活」について考える特集が組まれるなど、話題を呼んだ。

(富岡亜紀子  ライター / 2010年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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