組版(読み)クミハン(その他表記)composition

翻訳|composition

デジタル大辞泉 「組版」の意味・読み・例文・類語

くみ‐はん【組版】

活版印刷で、原稿指定に従って、拾った活字込め物けいなどを組み合わせて版を作ること。また、その版。植字

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精選版 日本国語大辞典 「組版」の意味・読み・例文・類語

くみ‐はん【組版】

  1. 〘 名詞 〙 活版印刷で、活字を、原稿の指定に従って、正しく組み上げること。また、その活字を組んだ版。植字。
    1. [初出の実例]「活版の大組から組版を受取り、紙型にとり鉛版を鋳造するまでが」(出典:新聞(1950)〈毎日新聞図書編集部編〉二)

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図書館情報学用語辞典 第5版 「組版」の解説

組版

原稿に基づいて活字を組み,最終的には版を作るまでの作業および完成した版.英語ではこうした作業をcompositionというが,できあがった版は,form(e)と呼んで区別している.日本では使用される活字数が非常に多いので,作業を分割し,活字を拾う作業を「文選」,その後で版にまとめあげる作業を「植字」といって区別している.したがって,組版はこれらの2作業を包括していることになる.もっとも,ページ数が多くなければ,西洋のように作業を分割しないで仕上げることもある.手動,機械さらにはコンピュータであっても,組版という表現は使われている.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の組版の言及

【活版印刷】より

…それ以前の印刷版が木版のように1枚の板につくられたものであって,文字の抜き差しがむずかしかったのに対して,文字の組替えが自在にできるところから〈生きた版〉という意味で活版と名づけられた。J.グーテンベルクの発明以来,文字印刷の主流として,また印刷の主流として利用されてきたが,鉛合金の活字を使用するため工場衛生上に問題があること,版が重く印刷機の構造もがんじょうでなければならず,取扱いも不便,スピードも出ない(とくに組版においては,和文の活字の場合コンピューターと結びつけて自動化しても毎分120本くらいを組むのが限度である)こと,そしてこの分野における若年労働者の不足もあって,写真植字法の進歩とともにその地位を譲りつつある。将来は,ごく上等の書籍のほか名刺,便箋,挨拶状などが,その特徴を発揮する分野となろう。…

【製版】より

…エッチングは薬液によって銅板を腐食するのであるが手工的とみなされる。また,活字は機械的に鋳造されたものであるが,これを集めて活版とする組版作業は手工的な方法が多い。以上のような手工的製版は,製版者の技術的能力によってそのできばえが左右される。…

※「組版」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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