鉛版(読み)エンバン

デジタル大辞泉 「鉛版」の意味・読み・例文・類語

えん‐ばん【鉛版】

組版版面から写し取った紙型しけいに、すずアンチモン合金を流し込んで作った印刷版ステロタイプ紙型鉛版。

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精選版 日本国語大辞典 「鉛版」の意味・読み・例文・類語

えん‐ばん【鉛版】

  1. 〘 名詞 〙 活版からとった紙型に鉛の合金を流し込んで作った印刷版。ステロタイプ。
    1. [初出の実例]「Emban エンバン 鉛版。Emban(エンバン)トル」(出典:改正増補和英語林集成(1886))

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改訂新版 世界大百科事典 「鉛版」の意味・わかりやすい解説

鉛版 (えんばん)

活字組版の複製鉛合金で作ったもの。活字組版(活字と線画凸版あるいは写真版を組み込んだもの)は,大量に印刷すると磨滅するから同じ版を多数作っておくと便利である。英語ではステレオタイプstereotypeといい,同型の版の意味で,日本でも俗にステロまたはステロ版ともいって,ごく少部数の活版印刷物を除いて,この複製版を利用することが多い。原版(活字組版)に紙型用紙を圧して作った紙型に,320℃くらいに加熱し溶融した鉛合金を流し込んで冷却固化したものを,印刷機にかけるのに便利な形に仕上げる。形状の点から2種に分類され,輪転機にかける半円筒状のものを丸版(まるばん)または丸鉛版といい,輪転機以外の活版印刷機にかける平板状のものを平版(ひらばん)または平鉛版という。鉛版には,紙型を仲介として1個の原版から必要な数の複製版を作って原版の磨滅を防ぎ,丸鉛版にすることによって印刷を高速化し,軽量の紙型を運搬配布することにより同時に遠隔地で印刷でき,また紙型を保存しておけば原版は解版してもよいなどの利点がある。鉛版が発明される以前は,活版の原版が平面であるために印刷機の版胴にとりつけることが困難で,いろいろな工夫がされたが,1829年フランスのジュヌーJean-Baptiste Genouxによって紙型が考案されて以来,輪転印刷が可能となり,印刷のスピード化に大いに役立つことになった。
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百科事典マイペディア 「鉛版」の意味・わかりやすい解説

鉛版【えんばん】

印刷に用いられる版の一種で,大量印刷による版の磨滅にそなえて作られる活字組版の複製。ステレオタイプ(ステロ版)とも。紙型を鋳型に入れ,溶融した鉛版合金を注入して鋳造する。鉛版合金は活字と同じく鉛とスズとアンチモンの合金。平台印刷機では平らに鋳造した平鉛版が,輪転印刷機では円筒形の丸鉛版が用いられる。
→関連項目CTSステレオタイプ凸版

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普及版 字通 「鉛版」の読み・字形・画数・意味

【鉛版】えんぱん

活版。

字通「鉛」の項目を見る

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