経済自立五ヵ年計画(読み)けいざいじりつごかねんけいかく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経済自立五ヵ年計画」の意味・わかりやすい解説

経済自立五ヵ年計画
けいざいじりつごかねんけいかく

第2次世界大戦後の日本における経済計画の最初のもの。 1954年 12月鳩山一郎内閣成立直後に発表された「総合経済六ヵ年計画」がその原型。 55年7月経済審議庁から改組された経済企画庁によって策定され,経済審議会の審議を経て,12月 23日に閣議決定された。計画実施期間は 56~60年度であったが,途中で岸内閣の新長期経済計画 (1957年度~62年度) に代えられた。この計画の目標は,アメリカの援助特需に依存しない国際収支拡大均衡を実現するという意味での「経済の自立」と,急増が予想される生産年齢人口を十分に吸収する「完全雇用」を達成することであった。計画の目標値は当初実質経済成長率 4.9%,鉱工業生産指数の増加率 7.4% (いずれも年率) であったが,計画水準を大幅に上回り,それぞれ 9.1%,15.6%の実績を残した。これは戦前の実質経済成長率水準の最高値であった 24~26年度の水準を上回るものであった。失業率は目標値の 1.0%を若干下回る 1.5%であった。これは,先進国水準からみればほとんど完全雇用水準といってよいものではあるが,数値には現れない日本独特の二重構造問題がそこに潜在していたことを『経済白書』 (57年度版) は指摘していた。

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