全国の製造業と鉱業の生産活動の状況を示す統計。約400品目を調査し、基準年を100として指数化。翌月に速報、翌々月に確報を公表している。鉱工業は経済活動に占める割合が高い上に景気の動きに敏感に反応するため、政府や日銀の政策、株式市場に影響を及ぼす重要統計の一つ。生産のほか出荷や在庫、工場の生産能力、設備稼働率の指数も同時に公表される。
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略号IIP。日本の鉱業および製造業の生産動向を、その活動を総体として把握するために、ある基準年次を100とした指数で表したもの。鉱工業に属する業種では、非常に多数にわたる品目の製品を生産しているが、それらのなかから生産動態統計調査などを基本資料として重要性の高い品目を選定し、それらの生産量をおのおのの基準年次の生産量と比較した指数を作成し、それらを総合することによって全体指数とする。その総合の仕方は加重平均であるが、そのウェイト(加重)として、各品目の付加価値額を用いるものと、生産額を用いるものとの2種類の指数が作成されている。付加価値額ウェイト指数は、いわば国民経済全体の活動水準の動向を国民純生産の指数で把握するのに相当し、個々の生産活動の最終的な成果を総合的に示すものといえる。これに対して、生産額ウェイト指数は、国民経済活動水準を中間需要額をも含んだ生産額の指数でみることに相当し、生産量そのものの動向を総合的に示すものといえる。
ところで、総合指数作成への基礎となる採用品目も、そのウェイトとなる各品目の重要性も、時代につれて経済の実態が変化するに伴って、当然変更されなければならない。したがって現在、指数の基準年次は5年ごとに更新されているが、それに伴い採用品目、ウェイトの見直しも行われている。そして、その品目とウェイトが固定されたまま、次の基準年改定時まで継続して使用されて総合指数が作成される(ラスパイレス指数算定方式)。
指数は鉱業と製造業について個別に作成され、それらを総合して鉱工業生産指数とされるが、それがさらに公益事業指数とあわせられて、産業総合指数が作成される。これらの業種別指数のほかに、採用品目を財用途別に分類し、最終需要財、生産財、さらに投資財、耐久消費財、非耐久消費財等の指数も作成されている。2015年時点の基準年次は2010年(平成22)であり、生産指数への採用品目数は487である。各指数は経済産業省によって毎月作成され、『鉱工業指数年報』などに公表されている。鉱工業生産指数は、出荷指数や在庫指数などの関連指数とともに、経済・生産活動および供給部門中の鉱工業の動向を具体的に示す基本的な指標であるところから、国民経済の景気動向を把握するうえでの代表的な情報の一つとして用いられる。
[高島 忠]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…国全体の生産指数は,個別の産業の生産指数を一定ウェイト(通常は各産業の付加価値額が用いられる)で集計することによって作成される。生産指数のなかでとくに利用されるのは,通産省によって毎月発表されている鉱工業生産指数で,これは重要な景気指標の一つである(〈鉱工業統計〉の項参照)。【牧野 文夫】。…
※「鉱工業生産指数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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