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完全雇用 かんぜんこようfull employment

翻訳|full employment

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

完全雇用
かんぜんこよう
full employment

一般的には働く意欲と能力をもち,現行の賃金水準で就業を希望するすべての人が雇用されている状態。 J.M.ケインズは失業を自発的失業摩擦的失業および非自発的失業の3つに分類し,有効需要の不足からくる非自発的失業のないことを完全雇用と定義した。

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デジタル大辞泉の解説

かんぜん‐こよう〔クワンゼン‐〕【完全雇用】

働く意思と能力をもっている労働者が、現行の実質賃金率で、すべて雇用されている状態。

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百科事典マイペディアの解説

完全雇用【かんぜんこよう】

労働の意思と能力のある者が原則としてすべて雇用されている状態のこと。ケインズ理論によれば,現行の実質賃金率を低すぎるとして働こうとしない自発的失業や,転職・地域間移動など労働の移動によって生じる摩擦的失業の存在は完全雇用のもとでも存在するが,現行の賃金・価格で働きたいが職がないという非自発的失業は存在しない,と考える。
→関連項目不完全雇用

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世界大百科事典 第2版の解説

かんぜんこよう【完全雇用 full employment】

完全雇用の意味は,経済および経済学の発展とともに変化してきた。経済理論的には,完全雇用は,現行の賃金率・価格のもとで雇主が需要したいと考える労働量と労働者が供給したいと考える量が一致する労働市場の均衡状態とみなされる。労働市場の均衡において就業していない労働者は,現行の実質賃金率において労働よりも余暇を選択しているため,自発的失業となる。したがって完全雇用においては,現行の賃金・価格で働きたいが職がないという非自発的失業は存在しない(非自発的失業が存在する状態を不完全雇用underemploymentという)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

完全雇用
かんぜんこよう
full employment

働く意志と能力をもつ者が、すべて雇用されている状態をいう。
 古典派経済学では、労働力需要も労働力供給もともに実質賃金率の関数であると考えるから、賃金率の伸縮性が十分であれば、賃金率の労働力需給調節作用によって完全雇用が達成されるわけであり、失業があるとすれば、現行の賃金率では就業することを拒否するもの、すなわちいわゆる自発的失業だけである。もっともこの場合にも、摩擦的失業や季節的失業は存在する。前者は市場事情の不知、労働移動の困難、職種転換の困難などの各種摩擦から発生する失業である。後者はある職種の求人が特定の季節にのみ集中するため、それ以外の季節に失業が発生する場合をいい、杜氏(とうじ)、北洋漁民などがその好例である。かくて古典派経済学は、自発的失業、摩擦的失業、季節的失業は別として、完全雇用の経済学であるといわれる。
 これに対して1929年の世界不況以後の大量の失業は、古典派経済学では説明がつかぬものであり、この現実を背景にしてケインズ経済学が登場した。J・M・ケインズは、現行の賃金率で働く意志があるにもかかわらず、有効需要が不足するとその社会の産出量が低下して、そこに就業の機会を得られない人々が発生する、すなわち非自発的失業が発生することを指摘した。そしてこの非自発的失業は、公共投資その他の政策によって有効需要を高めて、その解消を図るべきものであるとした。ケインズ経済学にあっては、古典派経済学と異なり、完全雇用は自動的に達成されるものではなく、政策的に実現を図るものなのである。
 ケインズ経済学はアメリカのニューディールによって実践に移され、失業の解消に貢献した。各国もこれに追随し、失業の解消は政策目標としてしだいに定着していった。さらに第二次世界大戦中には、W・H・ビバリッジに代表されるような、完全雇用の実現を政策的に図るべきであるとの思想が高まった。そして戦後には先進諸国において完全雇用政策は社会・経済政策の中軸として定着した。戦後の経済は経済復興から経済成長期に移り、完全雇用の実現も比較的容易であったが、1970年代に入ると各国ともスタグフレーションに襲われ、ふたたび失業が問題化してきた。[佐藤豊三郎]
『J・M・ケインズ著、塩野谷九十九訳『雇用・利子および貨幣の一般理論』(1941・東洋経済新報社) ▽渡部経彦・筑井甚吉著『現代経済学9 経済政策』(1972・岩波書店) ▽W. H. Beveridge Full Employment in a Free Society (1944, London)』

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