日本大百科全書(ニッポニカ) 「経験生命表」の意味・わかりやすい解説
経験生命表
けいけんせいめいひょう
生命保険会社の被保険者の死亡経験を分析してつくられた生命表。経験死亡表とも経験表ともいう。厚生労働省が国民全体を対象とした国勢調査の統計をもとに作成する国民生命表に対するものであり、保険料率算定の基礎となる。経験生命表は、被保険者の診査や告知などによって健康体を選択するため、国民生命表よりも低い死亡率を示す。被保険者の死亡率は、同一年齢でも契約後の経過期間によって異なる。これは、契約に際し医的診査などによって被保険者の選択を行う結果である。この点を考慮するかどうかによって、選択表、截断(せつだん)表、総合表に分かれる。日本で最初の経験生命表は、明治生命保険(明治安田生命保険の前身)、帝国生命保険(朝日生命保険の前身)、日本生命保険の3社による1911年(明治44)日本三会社表である。ついで1931年(昭和6)商工省日本経験生命表がある。現在は生保標準生命表2007(社団法人日本アクチュアリー会作成)を採用している。
[金子卓治・坂口光男]