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織物を織る道具の一つで、ヘルドhealdともいう。経糸(たていと)を整え、綜絖に通し、筬(おさ)に通して経糸ごしらえをし、これに緯(よこ)糸を杼(ひ)で走らせて織る。
[角山幸洋]
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…糸車の発明がいつかは明らかでないが,漢代の錦のきれいにそろった撚糸をみると,当然その存在が予知され,また多量にはやく紡績できるという点で,織物生産の増加と発達に関連するところが大きいから,紀元前後にはその使用が始まっていたと考えられる。紡績
【織機】
織物と編物との違いは織機使用の有無にあるが,織機の機構としては,経糸をまっすぐ平行に並べることと,1本1本経糸をすくって緯糸を通すのではなく,並べられた経糸の偶数糸,奇数糸を交互にいっせいに持ち上げて緯糸を通す道を作る綜絖(そうこう)装置が最も重要である(図1)。これは編物や組物の道具にはまったく見られない装置であるし,この発明によって織物の優位性が決定的になったと考えれば,このあたりを織機の最低限界と考えてよいのであろう。…
…そこから引き出された経糸は綾棒(あやぼう)または綾竹(あやたけ)と呼ばれる細長い棒Dで1本おきに上下に振り分けられ,次の綾棒D′でその上下を逆にして経糸の順序が横方向に乱れるのを防いでいる。綾棒を通過した経糸は1本ずつ針金で作られた綜絖(そうこう)(ヘルド)Eの中央にある小さい穴(目)に通され,ついで櫛状に並べられた棒(筬羽(おさは))を枠で固定した筬Fの各間隙を2本から数本いっしょに通された後,いくつかのガイドを経てクロスビーム(布巻(ぬのまき))Kに巻かれている。このように経糸を綜絖などに通し,織機にかけることを引込みおよび機掛け(はたがけ)という。…
…原則として,経糸を並べて,それに直角に緯糸を交差させながら織ってゆく。 機に欠かせない部品に綜絖(そうこう)と杼がある。綜絖は,経糸を数群に分けて上げ下げをするフレームで,経糸を通す目穴がついている。…
※「綜絖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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