綜絖(読み)ソウコウ

デジタル大辞泉 「綜絖」の意味・読み・例文・類語

そう‐こう〔‐クワウ〕【××絖】

織機で、横糸を通すために、縦糸上下に分ける器具

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精選版 日本国語大辞典 「綜絖」の意味・読み・例文・類語

そう‐こう‥クヮウ【綜絖】

  1. 〘 名詞 〙 織機器具の一つ。緯(よこいと)を通す杼口(ひぐち)(杼道)を作るために、経(たていと)を引き上げるためのしかけ。主要部を絹糸・カタン糸・毛糸・針金で作る。綜(あぜ)ヘルド
    1. [初出の実例]「筬と綜絖を自家で製造せずに他からこれを購入する場合は『筬編工』と『綜絖製造工』が省ける」(出典:女工哀史(1925)〈細井和喜蔵〉二)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「綜絖」の意味・わかりやすい解説

綜絖
そうこう
heald; heddle loom

ヘルドともいう。織機の一部品。緯 (よこ) 糸を通す杼 (ひ) 道をつくるために経 (たて) 糸を運動させる用具で,主要部は絹糸,カタン糸,毛糸や針金でつくられる。綜絖は経糸を通す綜絖目と,その上下に連なっている糸から成り,竪針,開口タベットの運動を経糸に伝える。綜絖目の作り方や作用から,無双綜絖,半綜絖,綜目綜絖,小間綜絖,単綜絖,捩り綜絖などに分類する。昔はもっぱら糸製綜絖が用いられたが,現在は耐久力の大きい,密度を任意に加減できる針金綜絖が用いられる。織物を織るのに必要な綜絖の枚数は,完全経糸数かその倍数に等しく,完全経糸数があまり多い場合は使用困難となる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「綜絖」の意味・わかりやすい解説

綜絖
そうこう

織物を織る道具の一つで、ヘルドhealdともいう。経糸(たていと)を整え、綜絖に通し、筬(おさ)に通して経糸ごしらえをし、これに緯(よこ)糸を杼(ひ)で走らせて織る。

[角山幸洋]

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百科事典マイペディア 「綜絖」の意味・わかりやすい解説

綜絖【そうこう】

ヘルドとも。織機上の経糸(たていと)を,目的とする織物組織に応じて上下に分け,緯(よこ)糸を通す杼道(ひみち)を作る織機の重要部品。糸を編んだもの,針金または薄板金製のものがある。中央部に経糸を通す穴があり,上下を枠でまとめ,ひとまとめの経糸が同一行動をとるようになっている。

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改訂新版 世界大百科事典 「綜絖」の意味・わかりやすい解説

綜絖 (そうこう)

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世界大百科事典(旧版)内の綜絖の言及

【織物】より

…糸車の発明がいつかは明らかでないが,漢代の錦のきれいにそろった撚糸をみると,当然その存在が予知され,また多量にはやく紡績できるという点で,織物生産の増加と発達に関連するところが大きいから,紀元前後にはその使用が始まっていたと考えられる。紡績
【織機】
 織物と編物との違いは織機使用の有無にあるが,織機の機構としては,経糸をまっすぐ平行に並べることと,1本1本経糸をすくって緯糸を通すのではなく,並べられた経糸の偶数糸,奇数糸を交互にいっせいに持ち上げて緯糸を通す道を作る綜絖(そうこう)装置が最も重要である(図1)。これは編物や組物の道具にはまったく見られない装置であるし,この発明によって織物の優位性が決定的になったと考えれば,このあたりを織機の最低限界と考えてよいのであろう。…

【織機】より

…そこから引き出された経糸は綾棒(あやぼう)または綾竹(あやたけ)と呼ばれる細長い棒Dで1本おきに上下に振り分けられ,次の綾棒D′でその上下を逆にして経糸の順序が横方向に乱れるのを防いでいる。綾棒を通過した経糸は1本ずつ針金で作られた綜絖(そうこう)(ヘルド)Eの中央にある小さい穴(目)に通され,ついで櫛状に並べられた棒(筬羽(おさは))を枠で固定した筬Fの各間隙を2本から数本いっしょに通された後,いくつかのガイドを経てクロスビーム(布巻(ぬのまき))Kに巻かれている。このように経糸を綜絖などに通し,織機にかけることを引込みおよび機掛け(はたがけ)という。…

【機】より

…原則として,経糸を並べて,それに直角に緯糸を交差させながら織ってゆく。 機に欠かせない部品に綜絖(そうこう)と杼がある。綜絖は,経糸を数群に分けて上げ下げをするフレームで,経糸を通す目穴がついている。…

※「綜絖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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