網代輿(読み)アジロゴシ

デジタル大辞泉 「網代輿」の意味・読み・例文・類語

あじろ‐ごし【網代×輿】

竹やひのき網代屋根や両わきに張り、黒塗りの押しぶちをつけた輿。近世親王摂家せっけ清華家せいがけ常用した。

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精選版 日本国語大辞典 「網代輿」の意味・読み・例文・類語

あじろ‐ごし【網代輿】

  1. 〘 名詞 〙 網代屋形表面に張り、黒塗りの押縁(おしぶち)を打ちつけた輿。近世、板輿に次ぎ、親王、摂家清華家(せいがけ)では常用とし、他の諸家も盛儀用として用いた。あじろのこし。
    1. 網代輿
      網代輿
    2. [初出の実例]「鳳輦(ほうれん)にはあらぬあじろごしのあやしきにぞたてまつれる」(出典増鏡(1368‐76頃)一五)

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世界大百科事典(旧版)内の網代輿の言及

【輿】より

…武家は公家とは反対に車を用いないで輿を用い,室町時代には家格の高い者に将軍が輿を用いることを特許する制度が生じた。天皇が朝覲行幸,即位等に用いる鳳輦(ほうれん)が最も格が高く,次いで天皇が尋常の行幸に用いる葱花輦(そうかれん)以下,腰輿(たごし),小輿,網代(あじろ)輿,板輿,張輿,四方輿,塗輿等の種類がある。腰輿は上皇,王臣,高僧が用い,網代輿は親王,摂関,清華家の者が用いたが,室町時代以降は家格の高い武家も網代輿をおもに用いた。…

※「網代輿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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