清華家(読み)セイガケ

デジタル大辞泉 「清華家」の意味・読み・例文・類語

せいが‐け〔セイグワ‐〕【清華家】

公家の家格の一。摂関家に次いで大臣家の上に位し、大臣大将を兼ねて太政大臣になることのできる家柄久我こが三条西園寺さいおんじ徳大寺花山院大炊御門おおいみかど今出川菊亭)の七家。のちに、広幡醍醐を加えて九清華となった。清華。華族英雄家

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精選版 日本国語大辞典 「清華家」の意味・読み・例文・類語

せいが‐けセイグヮ‥【清華家】

  1. 〘 名詞 〙 公家の家格の一つ。摂家につぐ名門で、大臣と近衛大将とを兼ね、太政大臣にものぼることのできる家柄。村上源氏久我(こが)家、藤原氏閑院流の転法輪三条家・西園寺家徳大寺家・今出川(菊亭)家、同花山院流の花山院家・大炊御門(おおいみかど)家の七家の称。のち源氏広幡家・藤原氏の醍醐家の二家を加えて九家となった。華族。英雄家。清華。
    1. [初出の実例]「右七流を号清華家」(出典:故実拾要(1720頃)一一)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「清華家」の意味・わかりやすい解説

清華家
せいがけ

五摂家(ごせっけ)に次ぐ公家(くげ)の家柄の称。清花とも書き、花族、華族、英雄家などともいう。古くは中国の『北史』にみえて、六朝(りくちょう)時代の名高い家柄を清華と称した。日本での早い例は『江家次第(ごうけしだい)』で、石清水(いわしみず)臨時祭の舞人の注に「殿上四位、用清花人」(殿上(てんじょう)の四位、清花の人を用ふ)とあり、『平治物語』『平家物語』などにも散見する。貴い家柄の意で、大臣を極官とする。村上源氏の久我(こが)、藤原氏閑院(かんいん)流の三条(さんじょう)(転法輪(てんぽうりん))・西園寺(さいおんじ)・徳大寺(とくだいじ)、摂家から分かれた花山院(かざんいん)・大炊御門(おおいみかど)、西園寺の分家である今出川(いまでがわ)(菊亭(きくてい))の7家を七(しち)清華といい、のち源氏の広幡(ひろはた)、摂家の分家醍醐(だいご)の2家を加えて9家となった。官歴は、童形(どうぎょう)のとき叙爵(従(じゅ)五位下(げ))して侍従に任ぜられ、従四位下のとき元服・昇殿を許されて正(しょう)四位下に進み、近衛権少将(このえごんのしょうしょう)を経て権中将・従三位(さんみ)となる。これがいわゆる三位中将で、ついで参議を経ずに権中納言(ちゅうなごん)に任ぜられ正二位まで進み、権大納言となり近衛大将を兼任、その後、内大臣、右大臣、左大臣を経て太政(だいじょう)大臣を極官とした。しかし後世、左右大臣は摂家の回り持ちとなり、内大臣以上にはほとんど任ぜられなかった。

[菊池紳一]

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改訂新版 世界大百科事典 「清華家」の意味・わかりやすい解説

清華家 (せいがけ)

公家の家格の一つ。摂関家につぎ,大臣家の上にあって,近衛大将を経て,太政大臣に昇進できる家柄。また,華族,英雄家などともいう。家格は平安時代末から徐々に形成され,鎌倉時代にほぼ固定して七清華といわれた。すなわち三条家(俗称,転法輪)をはじめ,西園寺家およびその分流の今出川(菊亭)家徳大寺家(以上,閑院家流),また花山院家および大炊御門(おおいみかど)家(以上,花山院流)の藤原氏北家の流れをくむ6家に,源氏の久我(こが)家を加えた7家をいう。ところが江戸時代の初め,一条昭良(後陽成天皇の皇子)の男冬基が醍醐家を,また八条宮智仁親王の子忠幸が広幡家を興し,ともに清華家に列せられ,九清華となったが,この両家より太政大臣に昇った例はない。なお1884年7月の華族令の制定に当たっては,いずれも侯爵に列せられたが,三条家のみは当主実美の幕末維新の功業により公爵を授けられた。
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百科事典マイペディア 「清華家」の意味・わかりやすい解説

清華家【せいがけ】

英雄家,華族とも。摂関家に次ぐ公卿(くぎょう)の家格。太政大臣を先途とし,大臣・大将を兼ねる家柄。三条(転法輪)・菊亭(今出川)・大炊御門(おおいみかど)・花山院・徳大寺・西園寺・久我(こが)の7家で,のちに広幡(ひろはた)・醍醐の2家を加えて九清華といった。
→関連項目華族久我家西園寺家門跡

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「清華家」の解説

清華家
せいがけ

摂家につぐ公家の家格。近衛大将をへて大臣に昇るが,太政大臣まで昇進できた。平安末期から形成され,華族家・英雄(えいゆう)家などと称し,鎌倉時代にほぼ固定した。その内訳は,閑院(かんいん)流の三条(転法輪(てんぽうりん))・徳大寺・西園寺・今出川(いまでがわ),花山院流の花山院・大炊御門(おおいみかど)(以上藤原氏),村上源氏の久我(こが)で,七清華といわれた。いずれも平安末~鎌倉時代に天皇の外戚となったり,権臣をだした。江戸時代に,一条昭良(後陽成天皇の皇子)の子冬基に始まる醍醐家,八条宮智仁(としひと)親王の子忠幸に始まる広幡(ひろはた)家が加わり,九清華となる。いずれも1884年(明治17)に侯爵となるが,三条家のみは実美(さねとみ)の功績により公爵となった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「清華家」の意味・わかりやすい解説

清華家
せいがけ

華族 (かしょく) ,英雄家ともいう。公家の名門。摂関家に次ぎ,太政大臣を極官とし,大臣,大将を兼ねる家。久我 (こが) ,花山院,転法輪三条,西園寺,徳大寺,大炊御門 (おおいのみかど) ,今出川 (菊亭) の7家。

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